• 『綠野仙蹤』
    著:ライマン・フランク・ボーム
    訳:陳婉容
    邦題:オズの魔法使い
    逗點文創結社 2013
    190×130×15 mm
    写真右は帯を広げた状態

  • 『比冥王星更遠的地方』
    著:黃崇凱
    逗點文創結社 2012
    210×150×16 mm 
    写真右は帯を広げた状態

小子

Godkidlla | シャオツー

理解の深い出版社に絞って仕事をなさっているということなのでしょうか。

小子 よく仕事をしている出版社は数社あります。たとえば、太宰治シリーズを出している逗點文創結社という出版社では、かなりの数の本をデザインしていますね。もちろん予算の上限はありますが、本当に僕の好きなように、自由にやらせてもらっているから、新しいことにもいろいろ挑戦できる。でも、そういうところに限らず、いろいろな出版社から声をかけていただいていますよ。

文芸書のデザインを手がけることが多いのですか?

小子 出版社によりますが、逗點文創結社の仕事などはそうですね。

上製本は少ないようですが。

小子 僕もこの状況は面白いなと感じているところなんですが、ハードカバーの上製本は、いまの若い人たちにとって「小ぎれいだけれどちょっと古くさい」と感じるようです。上製本よりも、並製本(ソフトカバー)でブックカバーに遊び心のある、デザイン性の高い本のほうが受けが良いので、上製本が少なくなってきたのではないかと。

予算的な理由ではなく、読者の好みに基づくデザイン的な選択という理由で並製本が多いと。

小子 それもありますし、また、出版社の販売戦略も関係してきていますね。初版をいきなり上製本で出版してしまうと、増刷するときにそれより良い本を刊行するのが難しくなってしまうので、初版から上製本で攻めることは少ない。ベストセラーになれば、増刷時に並製本から上製本へとグレードアップする事例もあるし、流れとしてもそのほうが自然かなと思います。

しかし並製の本もまったく安っぽく見えないというか、むしろお金をかけてつくった凝ったデザインに感じますね。けれどとても軽やかで、それがとても不思議です。小子さんの思いと、本をつくる出版社、形にしてくれる印刷会社や製本会社が、ちゃんと全部つながっているように感じます。

小子 そうですね。次は、帯に凝った例をお見せします。この本は『オズの魔法使い』(『綠野仙蹤』)です。がんだれ表紙の並製本で、表紙に主人公の少女ドロシーの靴が描かれている。そして帯はゆるい波型に型抜きしてあり、ピクニックに出かける道をイメージしています。ドロシーの靴がここを歩いているんです。

帯というのは主に広告宣伝の目的で掛けることが多く、デザインとは無関係で、「邪魔」とすぐに捨ててしまう人が多い。けれど僕は、デザイン性の高い帯を手がけたいと思いました。

タイトルの4文字のデザインは、それぞれ登場人物をイメージした描き文字になっていますか?

小子 その通りです。「綠」はドロシー、「野」がブリキの木こり、「仙」が臆病なライオン、「蹤」はカカシを表しています。