• 『#tag 沒有代表作』 限量盒裝版

  • アーロン・ニエさん。
    3時間に及ぶ取材の間も
    嫌な顔ひとつせず、
    真摯に一つ一つの質問に
    答えてくれた

  • 『九歌102年散文選』
    編:柯裕棻 
    九歌出版社 2014
    210×150×20 mm

  • 『九歌102年小說選』
    編:紀大偉 
    九歌出版社 2014
    210×150×19 mm

聶永真

Aaron Nieh | アーロン・ニエ

限定版はすぐ売れ切れたと聞いたんですけど。

アーロン 5分で完売しました。

5分!

アーロン ネット書店の博客来(ボーカーライ)で、事前に発売日時をアナウンスしていたので。開始5分後に販売終了。

見るからに限定版と普及版だと違うんですが、内容は同じなんですか?

アーロン 内容は基本的に同じですが、紙とか細かいところに違いがあります。限定版の最初の数ページにはシークレットページがあって、過去にデザインしたロゴや書体を載せています。これは普及版にはないです。

これはどのようにして印刷しているのですか?

アーロン これは黒の色紙に黒インキをシルクスクリーンで印刷しています。

黒地に黒……。

アーロン シークレットページだからね。限定版には新しく版を起こして校正機で刷ったものが付いています。実際の印刷物ですから、現物を一つ一つ手にとって見られます。

新たな版をわざわざつくったんですか?

アーロン そうです。箔押しや特色インキといった特殊加工は、普及版でやれないので、限定版ではこだわりを持って。かなり頑張りました。

実物と同じサイズで刷ったと聞きましたが。

アーロン 物によっては原寸よりも大きいかな、自分の使いたい紙で刷り直したものは、オリジナルより高価でいいものだったりします。舞台劇のポスターとか「散文」という文字を刷ってある印刷物がそうですね。後者のほうは、書籍『九歌102年散文選』の表紙カバーがもとになっています。オリジナルのカバーで使った紙は、コストの問題で第二希望のものだったんです。それをずっと悔やんでいたので、今回は違う紙に刷りました。

この黄色い薄い紙がよかった?

アーロン そう。でも主役は本体の内容なので、僕のデザインで中身の価値が変わるわけではないですしね。オリジナルもこれはこれで悪くはないんですけど。『九歌102年散文選』と『九歌102年小説選』の表紙に刷られた金色や青の部分の形は、Wordで文章をハイライト表示したときの色のバーを抽象化したものです。文字がひとつの塊として見えてくるようなイメージにしてみたんです。

このシリーズは毎年違うデザイナーを起用していて、僕が担当したのは2013年版のブックカバーだけです。中の文字組は他に発注していて正直美しいとは思えません。トラディショナルな組み方だし、この編集長もかなり考えが古い人でした。この編集長はとてもいい作家なんだけど、いい作家だからといって、必ずしも編集の力やセンスを兼ね備えているとは限らないと実感しました。彼女の書く文章も良く思えなくなってしまうほどでした……。

僕の表紙デザインの提案を見て、ウンコみたいだとか言うし、怒って反論する気力もなく、この提案が通らなければもう降りてもいいと思ってました。ただ、編集長が二人いて、もう一人は気に入ってくれていました。結果的には出版社自体も満足してくれたんじゃないかと思います。

表紙はきれいですが、背表紙や本文は昔風。ここは変えられないの?

アーロン ロゴの位置や規定は変えられなかったんです。

そういうのは辛いですよね。『九歌102年散文選』と『九歌102年小説選』の表紙の金色部分はシルクですか?

アーロン 箔押しですね。作品集では、もともとある本の表紙のデザインに使っていた構成部分や要素を使い、自分の気に入った紙に再プリントしました。書籍がすぐに売り切れてしまったんで買いたくても入手できない本になっちゃったんです。そういうニーズに応えるためにも、元のデザインを取り入れアレンジし直したものを入れています。

普段は予算制限を考えながらデザインをしなければいけないんで、僕がぶっ飛んだようなものをつくりたくても、やりたいことがなかなかできないこともある。人件費や手間がかかってしまうものとか。そういうやりたかったことも、この限定版作品集で再チャレンジしています。例えばこれは一枚一枚人の手でテープを貼っています。

この黒い帯、テープなんですか。

アーロン 以前、ある本のデザインとして提案したアイデアだったんですが、つくり方が複雑になるからということでボツになってしまいました。今回は加工工場とタイアップしてできたんです。